間取りを見るとき、何を見ていますか?
家づくりを始めると、
「LDKは何帖ほしい」
「収納はたくさんほしい」
「家事動線を短くしたい」
そんな希望が、たくさん出てきます。
もちろん、どれも大切です。
でも私たちは、間取りを考えるときに
もうひとつ大切にしていることがあります。
それは、
そこで家族が、どう動き、どう過ごすのか。
ということ。
同じ30坪の家でも、間取りによって暮らし方は変わります。
今回は、これまで実際につくってきた住まいを振り返りながら、私たちが考える「いい間取り」について書いてみたいと思います。
1|広さより、「どう過ごせるか」
広いLDK=暮らしやすい家、とは限りません。
ソファに座る人。
ダイニングで宿題をする子ども。
キッチンに立つ人。
カウンターで本を読む人。
同じ空間にいても、それぞれ違うことをしている。
それでも、なんとなくお互いの気配が分かる。
そんな「一緒にいるけれど、べったりではない」距離も、間取りでつくることができます。

2|朝は、家族みんなが動くから
朝のキッチンは、意外と混雑します。
朝食をつくる。
食べる。
身支度をする。
片付ける。
限られた時間の中で、家族それぞれが動きます。
だからキッチン単体ではなく、
「朝、家族がどう動くのか」
まで考えて配置する。
ダイニングやカウンターとの距離も、そのための設計のひとつです。

3|玄関は「収納」だけではなく、帰宅動線
玄関収納を大きくするだけでは、玄関が片付くとは限りません。
靴を脱ぐ。
荷物を置く。
上着を脱ぐ。
家の中へ入る。
毎日繰り返す行動が自然につながっていると、
「片付けなければ」ではなく、自然に片付くようになります。
間取りは、人に頑張ってもらうのではなく、
暮らしの方を少しラクにするためにある。
そんな考え方も大切にしています。

4|洗濯は「洗う」だけで終わらない
洗濯機を回して、
干して、
取り込んで、
畳んで、
しまう。
洗濯という家事には、実はいくつもの工程があります。
だから、
洗う → 干す → しまう
を近づける。
ほんの数歩の違いでも、365日繰り返せば大きな違いになります。
家事動線とは、単に「短い動線」ではなく、
毎日の小さな負担を減らす設計だと考えています。

5|家族は、いつも一緒でなくていい
家族だからといって、
いつも同じ場所で、同じことをしている必要はありません。
テレビを見る人。
本を読む人。
仕事をする人。
ひとりで少し考えたい人。
それぞれ別のことをしていても、
声や気配がなんとなく伝わる。
吹抜けやロフト、カウンターなどは、単に「おしゃれな空間」をつくるためではなく、
顔を合わせていなくても、家族の存在を感じられる場所。として考えることもできます。

6|少し離れられる場所も、家族には必要
そして反対に、
少しだけ離れたいときもあります。
疲れているとき。
静かに本を読みたいとき。
子どもが遊びに集中しているとき。
そんなとき、完全な個室ではないけれど、
LDKからほんの少し距離を取れる場所がある。
小上がりやヌック、ロフト風2階などは、そのための居場所にもなります。
つながる場所と、離れられる場所。
その両方があることで、家族それぞれが心地よく過ごせるのだと思います。

7|「好き」が積み重なった家
そして最後は、少し感覚的な話です。
性能。
動線。
収納。
広さ。
予算。
家づくりには、考えなければならないことがたくさんあります。
でも最後に、
「この家、なんか好きだな」
と思えることも、とても大切だと思っています。
毎日帰ってくる場所だからこそ、
玄関を開けるたびに、少し気持ちがやわらぐ。
そんな「好き」の積み重ねも、家をHomeにしていくものなのかもしれません。

最後|いい間取りに、ひとつの正解はありません
4人家族だから、この間取り。
30坪だから、この間取り。
そんなふうには決められません。
よく料理をする家族もいれば、
休日はそれぞれ好きなことをして過ごす家族もいる。
子どもが小さい時期もあれば、
やがて成長して家を出ていく日も来ます。
だから私たちは、
「何帖必要ですか?」の前に、
「そこで、どんなふうに暮らしたいですか?」を聞きたい。
いい間取りとは、
図面がきれいな間取りではなく、
その家族の暮らしが、無理なく続いていく間取り。
なのだと思います。
Houseではなく、Homeをつくる。
感謝・誠実・愛
家は人が住んでから初めて家になります。私たちはその空間を「ホーム」と呼びます。
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